必見! kagari yusuke×AKIBA MAICO×WALDES Zipperを中心とした「100年の壁」展 @ pilot program gallery


【FASHION EXHIBITION REPORT】

11年4月10日(日)〜17日(日)にかけて、カバン作家「kagari yusuke(カガリ ユウスケ)」の作品を元に、アーティスト「AKIBA MAICO(アキバ マイコ)」、ジッパーブランド「WALDES Zipper(ウォルデス ジッパー)」等によって製作された「100年の壁」展がpilot program gallery(東京・千代田区)にて開催されている。

 「100年の壁」展とは、カバン作家「kagari yusuke」の“壁のようなカバン”に、アーティスト「AKIBA MAICO」による100年の月日を経たかのような錆びや汚れを演出したエイジング塗装を加え、約106年前にホイットコム ジャドソンとルイス ウォーカー等によって製作された“ファスナーの原点”と語られる「スライドファスナー」の復刻版を、ジッパーブランド「WALDES Zipper」によって製作された「クラッシックジッパー」を元に構成された作品展である。

企画立案から約5ヶ月の歳月をかけた本展示は、2フロアに渡って展開されている。
1Fでは、「通常ではあり得ない状態」をしたシンメトリーエイジングを施した鞄を空間連結し、「廃墟を1から新しく作る」という意図した矛盾の世界観を打ち出したインスタレーションを展開。
2Fでは、0年(加工前)と100年(加工後)の経時変化を比較するように、「100年の壁」用に製作された新作やカガリ自身の撮影した写真・軍艦マンションで榎本佳嗣によって撮影された写真が飾られている。

尚、展示商品は全て購入する事が可能となっている。
シンメトリーにエイジングを施した作品。
2Fでは、壁に沿うように作品が展示されている。
作品は、0年(加工前)と100年(加工後)をイメージした並びになっている。
2Fでは鞄の外に、カードケース・ブックカバー・ブレスレット等も販売されている。
「クラッシックジッパー」を元に加工されたブレスレット。
kagari yusuke 2011 Collection
日程2011年4月10日(日)〜2011年4月17日(日)
時間12:00~20:00
会場P2G - pilot program gallery -
住所東京都千代田区東神田1-3-5 ミツヨシビル1F
入場料無料
問い合わせ先TEL:03-3861-6031
URL:http://p-2-g.com/
協力Enomoto Yoshitsugu(Photo)/Roderic Ross(Model)/Ikegaya Kaori(Perfume)/Geckou flower design studio(Flower)
備考インビテーションをご希望の方はysk@yusukekagari.comに件名をDM希望として住所、氏名を書いてお送り下さい。


【IMPRESSION】

「カガリユウスケの全力」。
「kagari yusuke」というブランド(歩み)を知っている方なら、そんな言葉が体感出来る仕上がりかと思います。
トレンドに流されず、年に一回のペースでコレクションを発表するブランドとしての拘り、そして、「ぼくはガラクタが好きで、ガラクタから連想を繋げて作る空間、秘密基地が好き。」と言うように、アイデンティティまでも凝縮された空間。

本展示の出来栄えに本人も納得した表情を浮かべ、「人とやると、こんなに出来るんだ。」という率直な感想が表すように、「廃墟をイメージして作ってもらった。」 という調香師Ikegaya Kaoriによる香り、Geckou flower design studioによる装飾等、自身の作品に対し、更なる可能性を引き出した見事なクリエーション。と同時に、自身初の本格コラボレーションにもなった「100年の壁」展は、カバン作家としての才能だけでなく、ディレクション能力を発揮した展示会でもありました。

そして、今回の作品展示において焦点でもある“100年(アンティーク)”の価値観に対して「すでに死んでしまった人間達の物質との蜜月の歴史を内包している。そして、人は物を通して明日を見る。だから尊く感じてしまう。だから価値がある。」と持論をDM(COLUMN for 100 YEARS)で語っているように、素材と人との関係性で価値(付加価値)が構成されている事を、思想〜作品まで一貫したクリエーションを証明した形となりました。

それだけに、「kagari yusuke」の次のシーズンがどうなっていくか?
このコレクションで、無垢と経時、時間軸に対する壁へのアプローチが“ある種の完結”をしただけに、どうなっていくか?
「鞄」、「壁」、「廃墟」等、これらのキーワードは、カガリ氏にとって離す事が出来ないモノでありますが、次のステージが楽しみです。

「kagari yusuke」のクリエーションを知っている方も、知らない方も、“廃墟のようなカバン”を完成させたカガリユウスケ・ウォールシリーズの集大成ともいえるコレクションを見てみて下さい。

写真、文:スナオシタカヒサ
Photo,Text by Takahisa Sunaoshi